アルクトテリウム、史上最大の巨大肉食グマ
古生物の、巨大すぎる肉食クマの発見が報告されたので、記事に書いていく。
規格外の肉食グマ
発見された肉食グマの名は「アルクトテリウム」。正式名称は「アルクトテリウム・アングスティデンス」。
約200~50万年前の、南アメリカ大陸に生息していたとされる、史上最大のクマだ。
太古の昔にアメリカにも生息していた、巨大肉食グマのグループ「ショートフェイスベア」の一種。
最初の発見は2011年で、この際に発見された個体の化石は、推測すると3.5m以上、体重1.1tに及んだ。
だが今回発見された化石の個体は、それをはるかに上回っていた。
立ち上がった際の背丈は、なんと4.5m、体重800㎏、四つ足の状態でも2.5mもの体高があったという。
化石から見る、強い捕食性
今回の化石はアルゼンチンで、地表から、9mの深さの地層から発掘された。
発見された化石は非常に保存状態のいいもので、頭骨はほぼそのままの形を保っていた。
ショートフェイスの名の通り、鼻づらが短く、現代のクマよりも丸みのある頭骨をしていた。
ショートフェイスベアのグループは、現代のクマよりも体型がかなり違っていた。
四肢の足は非常に長く、走った際のスピードが上がる構造で、短い頭部は強力な筋肉が顎と繋がり、強力な咬合力、つまり凄まじい顎のチカラを生み出していたと考えられている。
その体型から、捕食性の非常に強いハンターだったとされ、生存していた時代の地域では陸上で最大かつ、最も強力な捕食者だったと考えられている。発見された頭骨と顎を見ると、4.5㎝の巨大な牙が付いていた。6㎝の大きな臼歯は。獲物の肉を食べる際、磨り潰す、骨をかみ砕くのに使ったとされる。
時代と共に小型化。
ショートフェイスベア類は、時代を経るにつれ小型化していった。
世界中に種がおり、南米では出現当時から巨大だったが、だんだん小型化していった。逆に北米では巨大化が進んでいった。豊富な食料に恵まれ、競争相手もいないことが大きな理由だったのだろう。
だが、他の肉食獣が進化していくと、一人勝ちから一転、環境適応を余儀なくされ、結果として小型化していったとされる。ここまでになると、恐竜にも一切引けを取らない。
恐竜が古生物の中で、最も注目を集めているだろうが、地球の歴史を見れば生物の進化は限りないものがあると理解できる。