最初の大イグアナ、世界二番目のイグアノドン
世界2番目に発見された恐竜
恐竜の発見の歴史というのは非常に古く、元をたどっていくと現在からみて200年近くまで昔にさかのぼる。最初に発見されたのは「メガロサウルス」だがその後1822年に世界2番目の恐竜が発見された。
その恐竜の名は「イグアノドン」、最初期に発見された、非常に古い恐竜であり、日本でも昔から古い図鑑などによく登場していた、非常にメジャーな恐竜である。なによりも二番目に発見されたというのがこの恐竜にとって大きな意味合いを持っている。
ここまで二番目と書いているがものによっては最初に発見された恐竜といわれていることも多い。その理由は学問的な記述が初めてされた恐竜でもあるゆえ。
白亜紀に生息した草食恐竜
イグアノドンはティラノサウルスと同じく白亜紀に生息していた、草食恐竜である。鳥盤類の代表的な種類とも言ってよく、実際彼らの近縁種はアメリカをはじめ、ヨーロッパ、アジアなどで数多く発見されている。体長は9メートルから12メートルにも達したとされ、かなり大型の草食竜であった。
この恐竜は発見された当初はその歯の形がイグアナによく似ていたことから、発見した英国の医者、ギデオン・マンテルは巨大なイグアナのような爬虫類であると当時は考えた。その後の発掘により彼らの代名詞たる化石である親指の部分が発見されたのである。
親指の化石の真実
この親指は骨の上に厚い角質の層がかぶさっており15センチにも及んでいた、これが肉食竜への唯一の対抗手段と考えられていたが実際は植物を手繰り寄せるための道具としていたとされる線が強く、疑問視されている。だがこの親指が頑丈な構造だったことは事実である。
しかし当初はこの化石は親指ではなく、角だったと考えられていたため、復元予想図では巨大な鼻先に角の付いたイグアナのような爬虫類の姿で描かれていた。
実際しばらくの間このような姿のままイグアノドンは再現され続けることになった。だが1878年にベルギーの炭鉱で30体に及ぶ完全な全身骨格化石が見つかったことによって研究は飛躍的に進むことになったのである。
それ以降現在のイグアノドンの再現骨格になりそれが定着することになった。
しかし二足歩行として再現された跡も尻尾を引きづって歩く、ゴジラ型の歩き方をしていたとされていたが、骨格やそれに伴うバランスのとり方を計算した結果、普段は四足歩行で行動して捕食者に追われた際など逃げる時には二足歩行になって走ることができたとされている。
日本にも生息した恐竜
近縁種は非常に数多く、彼らの繁栄はかなりの物だったと推測されている。日本でも屈指の恐竜の出土数で有名な福井県でもフクイサウルスと名付けられたイグアノドンの近縁種が発見されているほど、体長は最大で5メートル程と他に比べそこまで大型ではなかった。
1989年に化石が発見され2003年に正式に新種だと認められるまでは「フクイリュウ」の名で呼ばれた。日本で発見された化石の中ではかなり保存状態がよく復元もスムーズに言ったらしく、彼らが生息していた時代は福井県の代表的肉食恐竜、フクイラプトルのいた時期と合致するため彼らがこの肉食竜と熾烈な戦いを繰り広げたことは想像に難くない。
フクイラプトルも詳細はほかの記事で取り上げるが、腕は非常に大きく強靭であり、その手には巨大な爪があり、強力な捕食者だったことは容易に考えられる。明確な捕食者と被捕食者の関係性が示唆されているこれまた日本産の恐竜としては稀有な事例である。
映画にも出演
ちなみにこのイグアノドン、かの有名なディズニーでも映画に出演しているのである。映画名はその名も「ダイナソー」2000年に公開されたディズニー制作の恐竜映画であり、主人公アラダーがこのイグアノドンなのである。
それ以外にもヒロイン役もイグアノドンといったずいぶん優遇された立ち位置にいる。これも世界最初期に発見された恐竜である故なのだろうか、一つ言えることはこのイグアノドン、恐竜を語るうえで切り離せない存在ということだけである。