カルボネミス!巨大肉食亀、太古の怪物亀
恐竜の絶滅以降も生物のスケールは多少は縮まったが、それでも人間からすれば怪物級の巨大生物は確かに存在していた。
今回は白亜紀の大絶滅を生き延びた、怪物の一角を紹介していきたい。
怪物級の巨大亀
今回の主人公は「カルボミネス」。
名前の意味はラテン語で「炭」を意味する「カルボ」と、ギリシャ語で「亀」を意味する「ミネス」を組み合わせたもので、「炭の亀」という意味である。
約6000万年前の新生代古第三記のコロンビア北部に生息していたとされる、史上最大級の陸生ガメの一種である。
化石は2005年に、コロンビアのラ・グアヒーラ県で発見された。
甲長は1.72mにもなり、軽自動車並みの巨体を持っていた。頭骨は発見時はつぶれていたものの20㎝もあり、上顎は非常に頑強であったという。
森林の川や河川に生息していた、淡水生の亀であったようで、現代のカメ類では首が非常に長く、甲羅に首を引っ込めるときは首を横向きに曲げるようにして収納していた、「ヨコクビガメ類」に近縁であったと考えられている。それゆえ再現図でも非常に首が長い形態で描かれている。
強力な肉食性の亀
生息していた当時は、熱帯雨林はかなりの高気温の地域で、それゆえエサも豊富な恵まれた環境下の恩恵を受け、巨大化が進んだとされている。
生息当時は、他にも巨大亀「スチュぺンデミス」、怪物蛇「ティタノボア」、巨大ワニ「プルスサウルス」が生息しており、大柄な哺乳類はまだ出現しておらず、生態系の上位の君臨していた捕食者であったとされている。
上顎が頑強だったことを踏まえると、自身よりも小さな生物を捕食していた肉食性の強い亀とされ、生態系では自身を脅かす天敵は、巨大ワニたちに限定されていたと推測されている。
その巨大かつ力強い頑強な顎が最大の武器であり、当時の数多く生息したワニ類を多数捕食していた、強力な怪物だったとされる。
実際、他の巨大亀がワニに襲われたとされる、巨大な歯型を残した甲羅の化石を残しており、熾烈な戦いが繰り広げられていたと推測されている。
しかし環境が変化し、温暖な地域が消えていくとすぐに姿を消していったとされ、巨大ワニも巨大蛇も変化を逃れることはできず、例外なく絶滅したとされる。
怪物と称される亀ですら、消えていってしまうのはむなしさすら感じるほどだが、自然の摂理を考えると人間も例外ではないのかもしれない。