小さき死神「蚊」暑さが引いたら奴らの出番
最近は様々なニュースこそ流れているが、暑さの話題だけは絶えることはなかった。夏が暑いのは当然なのだが、ここまで行くともはや災害にも思えてしまう。
巷では暑さでセミすら鳴けず、カブトムシが死に、挙句には蚊も少ないという夏の暑さで夏の風物詩ともいう生き物が少ないなど、悪いジョークにしか聞こえない出来事が起きているのがなんとも言えない。
ようやく暑さが収まるようなうわさが流れ始めたが、暑さが和らぐとそれはそれで問題が出てくる。それが何を隠そう「蚊」である。夏の一番の厄介者と言える昆虫であり、恐竜研究にも映画で注目を浴びた昆虫である。
そして地球上で人間を一番殺しているといわれている生物とされるのである。こんかいはこれから厄介になっていきそうな蚊を取り上げ、その歴史と危険性でも書き上げていこうと思う。
古代から存在する
蚊は映画「ジュラシック・パーク」で重要な役割がある。琥珀の中に閉じ込められて化石化していた古代の蚊の腹部から、当時の恐竜の血液を取り出しそこからDNAを解析することで、恐竜を現代に蘇らせたというわけである。
実際最古の蚊の化石は1憶7000万年前の中生代、ジュラ紀の地層から発見されているのである。もちろんこの時代の恐竜は既に存在し、有名な恐竜はもちろん、近年になってティラノサウルス越えの巨大肉食恐竜が発見され出している時代でもあるのである。
蚊は映画の様に、現実でも琥珀の中から発見されることがほとんどである。つい最近は小鳥やヘビの幼体が閉じ込められていた事例も報告されている。
伝染病の媒介者
蚊というとまず「人を指す」ことが真っ先に連想される。蚊の数は約2500種も存在するが、実は血を吸うのはメスだけでありオスは血を吸わない。産卵のための栄養補給のために血液を求めているからである。血を吸うイメージがぬぐえないが種類によっては血を吸わない種類もいる。
普段は花の蜜や草の汁、水滴を吸うなど昆虫と何ら変わらない生活をしている。彼らが人間から嫌われる最大の原因こそ、やはり人を指し患部に痒みをもたらしたり、睡眠中に羽音を立てられたり、刺されたら最悪感染症をもらうことになりかねないと、非常に有害性が強いのである。
しかも痒みや羽音ならまだしも、媒介する感染症はどれも危険性が強いものばかりで、その種類はデング熱、マラリア、日本脳炎、黄熱病、ウエストナイル熱、チクングニア熱、リフトバレー熱、フィラリア、といった主に熱病系のウイルスを媒介する。
このことから衛生環境や医療環境の行き届いていない国々では蛇蝎の如く嫌われている。
吸血は繁殖のため
人を見つけるとまず皮膚に取り付き、口で痛みを感じないように皮膚を切っていき、そこに針を差し込んで唾液を流し込み、血液が固まらないようにする。そして吸血を行い、十分に血を吸ったら離れ、その栄養で卵を生成し水場に卵を産むのである。
口は針状でギザギザがあり痛みを感じにくい構造で、注射針の開発のモデルにもされている。痒みの原因は唾液のせいで毛細血管が膨張することで炎症が起こり引き起こされるのである。
自分も蚊に刺されるが気づいたら刺された後というケースがほとんどで、人によっては刺されていることにすら気づかない人も多いことだろう。
流れのないよどんだ水場に好んで卵を産み、帰った幼虫はボウフラと呼ばれる。微生物を食べて成長し、さなぎを得てわずか一週間弱で成虫になってしまうのである。しかし天敵はおり、魚に食われたりヤゴに食べられたりもしてしまう。
水場に生きるのでちょっとした水たまりにまで産卵してしまい、条件によっては大発生してしまう。だが逆に水場がないのなら産卵ができず、気温が35℃になると活動が鈍り、落ち葉の下などでおとなしくしているのである。
これが今年の夏に蚊が少ない最大の理由である。猛暑の影響で活動できず、雨も少なく産卵場所も確保できないので数も増えないのである。ちなみに最も活動する気温は31℃前後とされる。
刺されやすい人、防蚊対策
蚊に刺されやすい人は血液型などがあるとされるが、蚊は二酸化炭素、体温、汗のにおいに寄ってくる習性があり、新陳代謝のいい人が刺されやすい傾向にある。お酒を飲んでも二酸化炭素と汗が出やすくなるために刺されやすくなる。
他に熱をためやすい黒系統の服を着る、足のにおいが強い人など、蚊は足の細菌が多い人によって来るので、除菌シートで足をぬぐうと効果的に防げるとされる。これは実証された事とのこと。
他に家周りに水場を作らないように対策をすること、水がたまりそうなところ、たまる場所に「銅」をいれていると、ボウフラの発生を防げるらしい。
扇風機を回しておけば蚊は飛ばされそうになるのでより付けないとのこと。一番は蚊取り線香などが効果てきめんとされる。
厚さが和らぐのは、蚊のバトル開始の合図とも取れるので対策は怠らないほうがいいだろう。