ネッシーの祖先?海生爬虫類プレシオサウルス
今回は恐竜ではないが、同時代の海の爬虫類でも有名な存在を書き上げていきたい。
世界最初の海生爬虫類、海に住まう恐竜とは別種の生物
今回取り上げる生物の名は「プレシオサウルス」、名前の意味は「爬虫類に近似したもの」。
中生代の三畳紀効果からジュラ紀前期、今から1億3500万~1億2000万年前まで地球の海洋で繁栄をしていた、世界で最初に発見された海棲爬虫類である。
主な生息地はヨーロッパ付近であり、アメリカあたりではエラスモサウルス類が繁栄した。
プレシオサウルスというのは、種類名を指すだけでなく、首長竜全体の主を指す言葉としても使われている。ちなみにこの種の発見後、それ以降に見つかった海棲爬虫類の種はすべて似ていたせいで、全てがプレシオサウルスとされてしまい属種は90種類を超えてしまったほどである。
後に多くの種が別種だと判断され、現在ではプレシオサウルスの属種は6種程度とされる。体長は3~5m、体重は90㎏と名前が知られている割にはかなり小柄な生物である。
最も名前が知られている海棲爬虫類の一種であり、恐竜とは別の生物である。
1821年にイギリスで最初の化石が発掘された
発見と同時に科学的に記述もされた。発見者は一般人の女性、メアリー・アニングで彼女は化石を売って生計を立てていたところこの化石を発見するに至ったのである。
ヘビの如く長い首が最大の特徴であり、頸椎の数は30個以上あり、逆に胴体は樽の様でずんぐりしておりそこに4枚の手足の代わりのヒレが付いていた。この見た目から「蛇首がついたカメ」とも形容される。
これによりはばたくようにして泳げたがそれほどスピードは出ず、しかし方向転換などの機動性では非常に適していたとされる。
典型的な海の生活への適応
海で暮らしていただけあって、もっぱら魚やイカ、アンモナイトなどの海生生物を捕食して暮らしていた。体格もさほど大きくないため、小型生物を専門に食べていたと推測されている。
捕食の際にはその長い首が役立ち、柔軟な構造のため思うよりも水中で素早く動かせ、水面近くで頭を水中から持ち上げたとかつてはされたが、しかし近年の研究によると首は下方向に主に動かせるが、他の方向には動かしづらく更に歯の構造を見てみると、彼らは海底の砂地あたりに口を突っ込むようにして泳ぎ回り口に入ってきた貝などの生物を口の中で砂などから濾過して食べていたとされている。
歯の構造も濾過の機能があることを強く示していたらしい。
しかし歯は後方にカーブした非常に鋭い円錐型構造で、口を閉じると歯は互い違いに交叉するようなかみ合わせで、魚などを捕食する爬虫類動物に見られる典型的な特徴で、がっしりとくわえ込める形になり滑りやすい海洋生物を加えこむのに最適な歯を持っていた。
嗅覚も優れており、この能力が獲物を探すのに役立っていたことは想像に難くない。事実近縁種はそのような行動をとり捕食をしていた種類もいたとのこと。
体格がそれほどでもないということは、天敵を少なくなく、他の海生爬虫類や古代のサメ類、他の首長竜にも狙われた可能性が高い。
繁殖は少々特殊で、胎内で幼体の化石が存在する化石があり、このことから子供を産んでいた可能性があるのである。
つまり彼らは卵胎生(体内で卵を孵し、ある程度まで育て出産するというやり方)であったとされる。これは他の種の海生爬虫類でも確認されているという。
ほかにも体内部分から石が数個発見されているが、これは恐竜の竜脚類のように食物を消化するためではなく、飲み込んでその重さで水中での浮力との調節のものだったとのこと。
サブカルチャーでも有名、宝石になった化石まである。
むかしから存在した生物であり、中生代の海の生物だと彼らが代表格のような存在であり、それゆえ創作、サブカルチャーでも出演の機会に恵まれていて、映画、ゲーム、漫画でも海というと必ずプレシオサウルスが登場していた。
長い首をくねらせて海上の獲物にも襲い掛かる凶暴な生物とされるが、前述の通り首の構造上そこまで柔軟には動かせなかったとされるが、映画などでは長い首で登場人物に襲い掛かる描写はよく見られる。
最初に発見された海生爬虫類であるうえ、それから長い間他の生物が見つからなかったのも、彼らが登場の機会に恵まれた理由なのだろう。
ちなみにかれらはオーストラリアでとんでもない化石が見つかったことでも有名である。どんな化石かというと、骨格の一部がなんと宝石のオパールに変質していたというのである。
画像を見ると実際に化石の一部が虹色に輝いており、確かに宝石化していたのである。
当初は世界の富豪が欲しがったらしいが、国外流出の反対運動で寄付が集まり国に留められたらしい。
他にも世界的に有名な恐竜の生き残りとされる、「ネッシー」も湖に閉じ込められたプレシオサウルスが進化した姿なのではないかともかつては推測された。
宝石になったり、ネッシーと言ったり最初に見つかった彼らは「海にすむ爬虫類」としてまさにイメージ通りだったためにここまで有名になったのだろう。