空を飛んだ古代の爬虫類プテラノドン
約二億年も続いた、恐竜たちの時代、これを中生代という。どんな作品でも中生代は一般的に恐竜の時代という認識で相違ない。
実際恐竜たちがその時代の支配者であり、我々、人類の祖先は小さなネズミほどの大きさしかなかった。
もっと厳密にいえば現在のネズミ以上に小さく、博物館にこの手の哺乳類の化石が展示されていても、虫眼鏡を通してみなければ何の化石なのか、判別がつかないほどの小さなものとなる。
そのような哺乳類にとって不遇な時代にそれとは逆に、栄華を極めた種族こそ恐竜類をはじめとした爬虫類であった。
翼竜プテラノドン
幾多の爬虫類が生まれ続けた、地球は完全に彼らのものとなっていった。そのなかで恐竜とは別の存在にもかかわらず、恐竜とほぼ同列に扱われ、同党の有名度を誇る空を飛ぶ爬虫類、翼竜のプテラノドンがいる。
彼は翼竜の象徴、代表的な存在であり翼竜というとまず、この種を思い浮かべることが多く、メディアでも翼竜というとまずプテラノドンが真っ先に出てくる。
恐竜時代の空の王者に君臨した生物で、もっともよく知られた生物である。
大きさの割には華奢な個体
体長は最大で9メートルにも達し、主に海岸線などの海の近くの崖に巣を作るなどして生息し、魚を主食にしていたとされている。
実際に発見された化石の胃の付近に魚の化石があったという化石が多く報告されている。
非常に大きいが体重は空を飛べるように適応したためか、体格に反して非常に軽く大型犬ほどの体重で20kgほどの重さしかなかったとされる。骨格もそれに見合った軽量構造で筋肉もさほど大きくなく、強くもなかったとされている。
それゆえ恐竜映画で数多く登場するものの、人間を運ぶなどの行動は不可能であったといわれている。魚を主食にしていたが、その狩りの方法は海面と平行にギリギリのところまで低空飛行し、水面にくちばしを差し込み、左官をとるという方法で狩りをしていたとされる。
くちばしの下あたりにはペリカンにも似た袋があり、ここに魚をある程度ため込んで巣へと持ち帰ることができたと推測される。その際に首長竜に捕食されてしまうといったことも多かったらしく、フィギュア等でもその様子が再現されているものがある。
プテラノドン特徴
特徴はそのくちばしと巨大なトサカそして巨大な一対の被膜でできた翼である。このとさかは相対的に巨大化した頭部とのバランスをとるために発達したものであるとされるが、それ以外にもディスプレイにも使われたともいわれている。
翼は小指から伸びた長い骨を軸にして胴体と一体化する形で伸びており、高い揚力をもっていた。
このプテラノドンはとっくの昔に絶滅しており、現代まで生きているわけがないのだが、じつは1860年代のアメリカ、南北戦争の最中アリゾナ州トゥームストンにて軍が未確認飛行物体を撃墜した際に、それを何か確認しに行ったところなんとこの物体は飛行機どころか、恐竜時代に絶滅したはずのプテラノドンだったという。
実際写真が残っているが、100年以上も昔の写真であるため判別がつきづらく、実際はねつ造しただけではとも言われている。
プテラノドンの登場映画
メディア出演も多く、恐竜系映画での出演も多い。とくに有名なのがB級映画の「プテラノドン」という映画で火山で卵の状態でひそかに生き延びていたプテラノドンがよみがえり、その地を訪れた一行に襲い掛かるという、アニマルパニックアクションものである。
特筆すべきはそのプテラノドンの造形である。実際のプテラノドンには歯がなかったとされるが劇中の彼らは、するどい歯を持ち、人間の足をかみ砕くほどの咬合力と人一人運べるだけの怪力、翼がブレード状にでもなっているのか人間が真っ二つになる描写まで存在する。
「ジュラシック・パークⅢ」でも人間すら獲物とみなしている描写もあるが、現実に戦ったら人間でも勝てたかもしれない。
有名すぎるが故か少々誇張表現が過ぎているような節があり、一種のネタキャラのような部分も近年になって出てきているのが翼竜プテラノドンのもう一つの特徴といえるかもしれない。