シノケラトプス、角竜の特徴を持った新種恐竜、
映画「ジュラシックワールド/炎の王国」で恐竜が再び話題をさらった。
出演した恐竜の中で最も新しい恐竜を今回の記事に書き上げていく。
アジア最大級の新種角竜
今回の主役は「シノケラトプス」、名前の意味は「中国のツノのある顔」。
正式名称は「シノケラトプス・ズケンゲンシス」。
こちらは「中国諸城のツノのある顔」
生息年代は約7200万年6600万年前のユーラシア大陸とされている。
2010年に入り命名された。
白亜紀後期の地層が存在する、中国山東省の諸城で最初の化石が発見された。この地域では肉食恐竜「ズケンティラヌス」やカモノハシ竜の「シャントゥンゴサウルス」の化石などが見つかっている。
化石はフリルを含めた頭骨の上部部分しか発見されておらず、正確な全体像は不明。しかし、頭骨の長さは180㎝と原始的なセントロサウルス類としては最大の大きさを誇った。全長は推定で6~7m・体重2t程度とされる
中国国内で見つかった角竜としては最大の体格を誇る種とされ、大きさはアジア最大級に入るらしい。
大陸を渡った、特徴豊富な種
トリケラトプスが所属する「角竜(つのりゅう)」はセントロサウルス亜科とカスモサウルス亜科に分類され区別されるが、シノケラトプスは両方の特徴を併せ持っていた。
角竜の先祖はアジア圏内で発生し進化したとされており、その後北米大陸にまで進出したが、逆に北米からアジアへ帰還した種もいたとされる。
今までアジア圏内で大型の角竜は化石がなく存在しないものとされていたが、シノケラトプスは史上初めてアジアから北米へと進出しアジアへ帰った種とされている。フリルは装飾が多く、前方に向けて曲がった縁頭頂骨と斜め後方にスパイク状に突き出した縁鱗状骨が特徴的。
表面や鼻角の周辺にはこぶ状の突起物が発達していた。
目の周りの骨は原始的な角竜の「プロトケラトプス」の特徴と似ており、謂わばほとんどの角竜の特徴を併せ持つという、異端な種でした。
シノケラトプスが見つかるまで、アジアでは明確にツノのある角竜は「トゥラノケラトプス」という種しか見つかっておらず、アジアではそういった種は存在しないとされてきた。
それが覆され、特徴からシノケラトプスは角竜類の進化の系譜を明かす、重要な種であると考えられ学会で注目を集めている。
メディア登場理由は世知辛い
冒頭の映画でも登場したが、劇中で登場した姿は、フリルに穴が開いていた奇妙な姿だった。
中国での観客を狙って出演させたらしいが、多くの説で穴は否定されている面があり、話題集めのための姿になっていた感が強い。
カルノタウルスと激戦を行ったが、前述の観客の理由から元は別の角竜である「パキリノサウルス」を急遽差し替えて登場させたという。
知名度こそ低いが、思わぬ形で登場したこの恐竜は妙な形で今後も脚光を浴びていくのかもしれない。