スピノサウルス尾部化石発見!水生説への確定証拠!
恐竜界でトップクラスの人気恐竜、スピノサウルスの新たな化石が発見され、恐竜界に新たな衝撃を巻き起こした。
それはスピノサウルスの全容を確定させる、決定打ともいうべき化石だった。
水生の決定的証拠
発見されたのはスピノサウルスの「尾部」、つまりシッポの化石であり、水中で生活を送っていたと現在は考えられている、スピノサウルスの「水生説」に対しての、決定打ともいうべき発見だったのだ。
理由は発見された化石が、水生生物の特徴を大きく示していたためであった故。
発見された化石は、北アフリカのモロッコの一億年前の白亜紀中期ごろの地層に埋まっていた。全体の8割以上が残ったほぼ完全なもので、その特徴と形状の解析が容易なものだった。
化石によりスピノサウルスの尻尾を復元したところによると、スピノサウルスの尻尾は現代のイモリ、もしくはワニのような縦に平たい幅の広い、オールのような形をしていたという。
こういった形状の尻尾は水生の生物に多く見られる特徴であり、尻尾を水中で横に振ることで前方に進む力を生むようになっているのだという。
実際にワニも水中で手ではなく、尻尾を振って泳ぎ、狩りの際は水面から全身が飛び出るほどの跳躍力をも生むことができる強靭な尻尾を持つ。
発見されたの尻尾の持ち主のスピノサウルスは若い個体であり、研究チームが化石から模型を作り、水槽内で動かす実験を行ったところ、大きな推進力を生むことができると確認した。
これによりスピノサウルスが水生の大型肉食恐竜だったという説を、より決定的にする希少な新発見だったというわけである。
多くの水への適応特徴
スピノサウルスが水辺周辺での生活を送っていたという説は、昔から根強く、近縁種の恐竜たちも魚を食べていたために、説の信憑性を強めていたが、全体像を示せるだけの化石が見つからず、その姿が長い間不明なままだった。
注目を集めたのは2014年頃に、スピノサウルスの後ろ足を含めた下半身の化石が発見されたことによる。化石は骨密度が高く、足に指は平たく水中での活動に適しており、指の間には水かきも持っていたと推測された。
上顎の鼻先には水中での生物の発する微弱な電磁波を感じる、感知器官の痕跡があり、これで水中の獲物も捕らえたという。
鼻の穴は口先から離れた顔の近くにあり、これは口先のみを水中に突っ込んで、呼吸ができるように適応した結果の特徴らしい。
歯の化石は円錐形の表面に溝が付いた構造で、これは水中でも表面が滑る獲物でさえも、一度歯が刺されば抜けない構造であり、イルカなどの魚食性動物も持つ歯の形状である。
しかも化石には古代のノコギリザメのものと思われる突起物が刺さったものも見つかっており、スピノサウルスは川や河川といった、水辺に生息しており水に依存した生活様式を行っていたことは、今回の化石から見ても確定したようである。
スピノサウルスが絶滅した理由は諸説あるが、それはワニ類との生存争いに敗れたためとされる。
一説には遊泳能力が劣っていたとも考えられているが、スピノの特徴とワニの特徴を見ても生態的競合が起こってしまい、劣ったスピノサウルスが絶滅に追いやられた可能性は十分高い。
この発見で水生説への確信をより強めるものであり、図鑑でも扱いが変わるだろうがこれからも有名な恐竜かつ人気を集め続けることは間違いのない事実である。