「ヴェロキラプトル」時を超えた戦い。
映画に登場した恐竜
有名恐竜映画「ジュラシックパーク」にはティラノサウルスはもちろん登場するが、それ以上に恐ろしい恐竜として「ヴェロキラプトル」が登場する。ラプトル類という小型肉食恐竜のグループで現在のユーラシア大陸のゴビ砂漠に生息していたとされる。
大きさは七面鳥程度で、その足には巨大な鉤爪がありこれを最大の武器としていた。ドロマエオサウルス類という極めて鳥類に近い恐竜のグループに属し、近年ではティラノサウルス同様羽毛が生えた姿で再現されることが多い。
まあ後述の映画シリーズでは時間がたった後でも原作に忠実だが。この恐竜はある非常に特殊な化石が知られている種類でその化石とは「闘争化石」と呼ばれる、今まさにヴェロキラプトルと獲物のとして狩られている角竜の先祖「プロトケラトプス」が戦っている最中の化石が存在している。
凶暴性を持つ戦い
ラプトルは倒れながらもその最大の武器である足のかぎづめをケラトプスの首に突き刺しており、手を頭のフリルに引っ掛けた状態で、ケラトプスはラプトルの片手に噛みついて抑え込んだ状態、まさに戦っているときの状況そのままに化石になったのである。なぜこのような状態で化石になったのかというと、彼らの生息域が砂漠であるという点でこのようになったと少し理解できる。
おそらく小高い砂山の近くで戦っているときに崩れ落ちてきた砂に雪崩のように一瞬のうちに飲み込まれてしまい、そのまま死んでしまい戦ったまま化石になったとされている。
このことから再現映像でもラプトルとケラトプスは決まって一緒に登場し、戦っている映像もよく作られる。またラプトルが明確に獲物を襲っている証拠でもあり、化石の中でも非常に貴重な部類である。
羽毛を持っていた
このラプトル類も羽毛を持っていたとされ、鳥類に極めて近い種類の恐竜ともされている。再現図でも、近年は羽毛を持った姿で再現されており、獣脚類の中でも鳥に鳥に似た姿をしているものも多い。原始的な羽毛と小さいながらも前足に羽を持っており、異性へのアピールに使われていたともされる。
前述のように極めて凶暴な存在とされており、実際、映画でも登場人物たちを幾度となく危機に陥れる。
だが映画のラプトルは本物と違い三メートル級の巨体に描かれ、監督曰く近縁種のより大型のユタラプトルをモデルにしたといわれている。凶暴だけでなく、前足でドアノブを開ける、一頭が敵の注意を引き、もう一頭が死角から回り込んで仕留める連携プレーを見せる、といった非常に知性が高い一面をのぞかせ、その後シリーズ全般において「言葉を持っていた」、「獲物のにおいを記憶させ、猟犬のように追いかけさせる」、「立場や順位を理解し従う」といった一貫して高度な知能を持った恐竜として描かれている。実際ラプトル類は高度な知能を持ち、たくみな連携プレーで今のオオカミのように獲物を仕留めていたとされている。
「ジュラシック・ワールド」でも4姉妹のラプトルが主人公に育てられた本作の主要キャラとして登場し、一部では本作のヒロインのようにも扱われている。劇中の末路は悲しいものであったが彼女が今後のシリーズで関わってくるかは謎のままである。
少々誇張表現されて世に知れ渡った肉食恐竜、ヴェロキラプトル。今後のジュラシック・パークシリーズや恐竜物への出演がなんとも楽しみである。